網島船遊画巻

2023.11.01

網島船遊画巻

明治時代以降には藤田家の邸宅があり、現在は藤田美術館がある網島の地が、大川の向こうに描かれます。点描のようにあらわされた桜と柳が春の明るい雰囲気を伝えます。色調は穏やかで、筆線は岩の輪郭線に見られる柔らかいものと、水草に見られる硬く鋭いものを使い分けています。絵の後半に見える向こう岸の鳥居は桜宮神社と考えられます。

作者の岡田半江(1782~1846)は父・岡田米山人(おかたべいさんじん、1744~1820)に幼い時から絵の手ほどきを受けました。半江は41歳ころから天満橋周辺に暮らしており、好んで大川に船を出して友人たちと遊び、その様子を絵にしています。

 巻頭の題字は詩文で名を馳せた大阪の文人・篠崎小竹(しのざきしょうちく、1781~1851)によって書かれ、巻末には後藤松陰(ごとうしょういん)、廣瀬筑梁(ひろせちくりょう)らによって文が寄せられます。

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