2024.03.29
画面の左右に少ない筆致で山を描き、中央に空けた余白を山間に立ちこめる雲としています。山肌には、筆を横に倒して打った点を重ね、かすみがかった湿潤な様子をあらわしています。米芾(べいふつ)という中国北宋時代の画家が生んだ、米点(べいてん)といわれる技法です。左の山際からは朝日が覗き、周辺の雲が、ほのかに赤く染まっています。
作者と伝わる米元暉(1072~1151)は米友仁とも言い、父・米芾とともに山水画に優れました。実際には米元暉より300年ほど後の時代に描かれたと考えられます。
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