2023.12.21
くぼみや穴が多い複雑な形をした奇石・太湖石(たいこせき)から、若竹が上方に向かって勢いよく生えています。細い幹ながらも葉がたくさん生い茂る様子は生命力を感じさせます。一方で、左後方に描かれた松の古木は湾曲しながら緩やかに生えており、両者のモティーフがもつ動と静、清新と枯淡の対比が鮮やかにあらわされています。このように竹石と古木を合わせて描く主題は、中国・元時代以降の文人画において特に好まれました。
作者は、中国・北宋の官僚であり文人画家としても名を馳せた文同(1019~1079)と伝わります。特に墨竹図を得意とし、同時代で親交のあった蘇軾(1036~1101)と並び「湖州竹派」と称されました。
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