瀟湘八景図

2023.11.29

瀟湘八景図

瀟湘とは、中国・湖南省を流れる湘江(しょうこう)に瀟水(しょうすい)が合流し、洞庭湖(どうていこ)という大きな湖に注ぐまでの地域一帯をさし、古くから中国有数の景勝地です。そこで見られる8つの景観を瀟湘八景といい、北宋時代末(11世紀)に画題として確立したものが、東アジア全体に伝わり、日本でも描き継がれてきました。

この絵は八景を一幅に収めています。横長の画面を隅まで使い、それぞれの景色を連接させながら配置します。細部まで硬質な筆線と淡彩を用いて描写しています。画面左下に捺される印から、作者を長吉(生没年不詳)と伝えます。詳細は不明ですが、狩野元信(かのうもとのぶ、1477?~1559)の周辺で活躍した画家と考えられています。

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