重文 小太刀 銘 國行

2023.11.01

重文 小太刀 銘 國行

刀身が反っており、刃を下にして腰から下げて身に着ける刀剣を太刀といいます。刃長が2尺(およそ60cm)未満の短いものを小太刀と呼びます。
直線的な刃文に不規則で小さな乱れがあり、中ほど下に喰違(くいちがい)があります。反りは刀身の中心よりも茎(なかご)側にあります。地文(じもん)は柾目肌(まさめはだ)で地沸(じにえ)が細かくつきます。
茎に「國行」の銘があります。これは大和国(現在の奈良県)の刀工で、当麻(たいま)派の祖とされる國行のことです。中世の大和国は大きな勢力を誇り、多くの刀工がいました。当麻派は現在の奈良県葛城(かつらぎ)市にある當麻寺(たいまでら)付近を本拠地としました。國行の遺作が少ない中にあって、貴重な一振りといえます。

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