雲龍図(龍虎図のうち)

2024.03.29

雲龍図(龍虎図のうち)

雲間に現れる龍の姿です。墨で太く明瞭な輪郭線をとり、毛や鱗など細かい部分は金泥を用いて描いています。闇の向こうに巨体を感じさせる、グラデーションの表現が見事です。

中国で生まれた想像上の動物である龍は、古くから雨を恵む水神として、日本を含むアジア全域で信仰されてきました。「龍が唸ると雲が起こる」(中国の古典『易経』)とも説かれ、多くは雲を従えた姿であらわされます。

作者の上田耕夫(1760~1832)は、摂津池田(大阪府)に生まれ、京都で円山応挙に師事しました。儒学者や詩人などとの文化的な交友関係が幅広く、京都と大坂を行き来しながら活躍しました。

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