二重切竹花入 銘 よなが

2023.12.21

二重切竹花入 銘 よなが

 

 

天正18年、豊臣秀吉(1537~1598)が北条氏の拠点である小田原城を攻めた時に、秀吉に随行した千利休(1522~1591)が、伊豆韮山(静岡県)の竹を用いて作りました。1本の竹から三つの部位を切り出し、それぞれ上部を「尺八」、中間部を「よなが」、下部を「園城寺(おんじょうじ)」と名付けました。伝承によると、味方の将兵が野営に使っていた竹の枕から切り出したともいいます。銘の由来は、竹の節と節の間「よ」の間隔が長いことから「よなが」と称したと伝わります。また、この名称は「夜長」にも通じ、戦に赴いた兵たちが陣中にて長夜を過ごすことを連想させるとして、その趣の深さが茶人たちの間で高く評価されました。

▲ TOP