2023.12.21

竹図

 

画面左下から天に向かってしなやかに伸びる竹を勢いのある筆致で描いています。力強い竹の節と瑞々しく茂る葉を墨の濃淡のコントラストで表現しており、生命力あふれる様子が見られます。蘇軾（1037～1101）は東坡（とうば）居士とも号し、中国・北宋時代に活躍した政治家で、詩書画や音楽にも長けた文人として名を馳せました。特に墨のみで竹を描く墨竹図を得意としており、数多くの作品を残しています。この絵も長らく蘇軾筆として伝わっていましたが、近年の研究により、後世の元～明時代に描かれたものと考えられています。