大獅子図

おおじしず

Great Lion

竹内栖鳳(たけうちせいほう)

明治35年(1902)頃

威風堂々たる百獣の王の姿が、豊かなたてがみや顔のひげ、遠くを見据える瞳など、細部まで捉えられています。竹内栖鳳(1864~1942)は、明治33年(1900)に渡欧した際、動物園で目にしたライオンのスケッチを重ね、帰国後に複数の獅子図を制作しました。セピア(イカ墨)に金泥を混ぜるなど、絵具にも工夫を凝らした一連の獅子図は、「金獅子」と称され人気をよびました。

明治20年代はじめから、栖鳳は京都の呉服屋・高島屋の意匠部に勤め、刺繍作品の下絵制作などに関わっていたようです。この絵は、明治37年(1904)に高島屋が米・セントルイス万博に出品した刺繡壁掛の下絵だと考えられており、多数残る栖鳳の獅子図のなかでも稀にみる大きさを誇ります。

帯については、屏風正面の壁にあるパネルをご覧ください。