漆絵画帖

うるしえがじょう

"Album of Lacquer Paintings"

柴田是真(しばたぜしん)

明治時代(19世紀)

幕末から明治にかけて漆芸で活躍した柴田是真(1807~1891)による、手のひらに納まるほど小さな漆絵の画帖です。紙に漆で絵を描く漆絵は、是真が海外からもたらされた油絵に対抗して大成した技法とされています。冒頭には「楽々」の題字が配され、7つの漆絵が続きます。いずれも、黒・赤・黄・緑・茶という限られた色彩を駆使し、漆の粘度にとらわれない素早い筆使いで描いています。第5図には実をつけた柿の木が描かれ、黒漆の濃淡であらわされた木肌や、重たく熟した柿のみずみずしい表現が見事です。「楽々」の書に76歳、第2図と第3図に81歳、第5図に82歳の表記があり、明治15年(1882)の書と明治21~22年(1888~1889)の絵が納められていることが分かります。