国宝 深窓秘抄

2024.02.01

国宝 深窓秘抄

巻末

 

『深窓秘抄』は平安時代の歌人・藤原公任(ふじわらのきんとう、966~1041)が優れた和歌を集めて編集した和歌集で、西暦1000年代初め頃に成立したと考えられます。1086年に成立した『後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)』の序には公任が「わが心にかなえる歌一巻を集め」た「深き窓にかくす集」として紹介されています。原本は存在せず、また写本も極めて少ない中で、この巻は始めから終わりまで切断されていません。藍と紫で雲状の模様(飛雲)をあらわした装飾紙に、柔らかく緩やかな筆遣いで和歌が書かれ、優美な印象を与えます。墨継ぎがはっきりとしており、墨が淡くなるにつれ細い字になる傾向があります。

 

▲ TOP