2025.03.01

梅花水禽/遠浦帰帆図 扇面

 

薄く金泥をほどこした扇面の表裏に、狩野永徳（1543～1590）がそれぞれのモティーフを水墨で描きました。「梅花水禽図」面は、水辺を泳ぐ三羽の鴨の背景に、梅、菖蒲、菊、萩など四季折々の花々とはるか遠くを望む雪山を描いています。「遠浦帰帆図」面は、中国・湖南省の洞庭湖周辺を表した瀟湘八景をのびやかで素早い筆致であらわしています。書付より、豊臣秀吉（1537～1598）が三輪加賀守元徳（みわかがのかみもとのり、生没年不詳）に下賜した扇と伝わります。