「話~ものがたりに飛び込め!」
物語×美術
ものがたりのあらすじ
「話~ものがたりに飛び込め!~」にて展示中の作品には、さまざまな物語があらわされています。ここでは関連する物語のあらすじを紹介します。
源氏絵 『源氏物語』第24帖「胡蝶」
光源氏三十六歳。三月二十日、光源氏の邸宅・六条院(ろくじょういん)では、春の船楽(ふながく)が盛大に催される。翌日、秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)が、大般若経を転読する季御読経(きのみどきょう)を行い、光源氏の妻・紫の上(むらさきのうえ)から、「胡蝶」と「迦陵頻(かりょうびん)」(=鳥)の舞が贈られる。一方、光源氏の養女となった玉鬘(たまかずら)は、様々な公達から求婚される。
桜狩蒔絵硯箱『伊勢物語』第82段「渚の院」
文徳天皇(もんとくてんのう、827 ~858)の息子・惟喬親王(これたかしんのう、844~897)は、仲間たちとともに(文中では在原業平を「右馬頭(うまのかみ)」と表記して、わざとぼやかしている)毎年桜の時期に行う鷹狩りにでかける。狩猟地・交野(かたの)の渚(なぎさ)の院でみられる桜は格別だったため、一行は馬から降りて宴を催しながら和歌を詠みかわす。
小督仲国図 『平家物語』巻第六「小督」
高倉(たかくら)天皇に寵愛された琴の名手・小督局(こごうのつぼね、生没年不詳)は、天皇の中宮・徳子(とくし)の父親である平清盛(たいらのきよもり)から咎(とが)めを受けることを恐れ、京都・嵯峨野に身を隠してしまう。それを嘆き悲しんだ高倉天皇は、八月深夜に源仲国(みなもとのなかくに、生没年不詳)に捜索を命じる。嵯峨野に辿り着いた仲国は、かすかに聴こえる琴の音色を頼りにようやく小督局を探し当て、ひそかに宮中に連れ帰る。
築島物語絵巻 幸若舞曲『築島』
難工事により築港が遅れていることを憂えた平清盛(たいらのきよもり、1118~1181)は、30人の人柱(ひとばしら)を龍神に捧げるため、旅人を次々に捕らえていった。駆け落ちした娘を探していた修行者も人柱として捕らえられた。そのことを知った娘は、清盛のもとに赴き、父親の助命嘆願(たんがん)をする。すると、清盛に仕える松王丸(まつおうまる)という童が、彼らを憐れみ、三十人の人柱の身代わりになることを申し出る。清盛はこの願いを聞き届け、身代わりの松王丸を海に沈めたところ、順調に築港が進み、ついに大輪田泊が完成した。
能面 弱法師 能『弱法師』
河内国高安の豪族・高安通俊(たかやすのみちとし)は、後妻の悪意ある進言から前妻の息子である俊徳丸(しゅんとくまる)を家から追放してしまう。悲しみのあまり失明し、四天王寺の門前で物乞いをするようになり、いつしか「弱法師」と呼ばれるようになった。後年、深く後悔した父・通俊が春に四天王寺で七日間の施行を行ったことで、その最終日に父子は涙の再会を果たす。
能面 橋姫 能『鉄輪(かなわ)』
夫に捨てられた前妻は嫉妬に狂い、京都・貴船神社へと丑の刻詣でをして、鬼となって夫の命を奪うよう祈願を重ねた。ある夜神託を得た女は、全身を朱色に塗り、頭に鉄輪を載せて火を灯し、生きながら鬼女となった。
一方、新妻を迎えていた彼女の元夫は、夢占いのため陰陽師・安倍晴明のもとを訪れると、鬼女となった前妻によって呪い殺されると告げられた。晴明が人形(ひとがた)を作って祈祷をはじめると、鬼女となった前妻が現れ襲い掛かるが、祈祷によって出現した護法の神々が鬼女を阻む。衰弱した鬼女は、恨みを残しつつ姿を消す。