
「国宝 曜変天目茶碗」について学術的に知る講演会を開催しました。曜変の再現を追究し続ける陶芸家、中国陶磁史の一線で活躍する研究者、2つの視点から曜変天目を掘り下げていただきました。
■「曜変天目の再現研究」
日時:8/23(土)14~15時
講師:九代 長江惣吉 氏(陶芸家)
1963年瀬戸の染付磁器の窯屋(素山窯)に生まれる。1995年父の八代・長江惣吉の死去により、国宝の曜変天目茶碗の再現研究を継承。以来、宋代に曜変天目が焼かれた中国福建省の建窯を50余回調査し、実験考古学の手法にて宋代の曜変天目の製法を究明、さらに建窯の胎土と釉原料を調査・採掘・輸入して曜変天目再現に成功、その研究成果を日中の学会にて発表。
■「曜変天目研究の最前線」
日時:8/30(土)14~15時
講師:小林仁 氏(大阪市立東洋陶磁美術館学芸課長代理)
1968年東京生まれ。専門は東洋陶磁史。成城大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。中国政府奨学金留学生(高級進修生)として北京大学考古系に留学(1994~96年)。博士(学術)。著書に『南北朝隋唐陶俑の研究』(思文閣出版、2015)。小山冨士夫記念賞(第2回奨励賞)受賞。「台北國立故宮博物院—北宋汝窯青磁水仙盆」(2016年)、「天目―中国黒釉の美」(2020年)、「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」(2025年)など多数の展覧会を企画。