立美人図

たちびじんず

Standing Beauty

宮川長春(みやがわちょうしゅん)

江戸時代 18世紀

宮川長春(1682~1752)は、1700年代に江戸で活躍した浮世絵師です。版画は手がけず、肉筆の浮世絵を多く生み出しました。右を向いて左手で褄(つま)を取る立ち姿は、長春作品の定型図様として数多く描かれています。髷(まげ)に櫛と簪(かんざし)を挿し、雁をデザイン化した結び雁金(かりがね)文様の華やかな衣を重ねて帯を前に締めています。右手を袖の中に入れ、上体を反らして立つ姿勢は花魁道中の遊女を彷彿とさせ、帯をなびかせて着物の裾裏を大胆に翻す様子には、躍動感があらわれています。