ややすぼまった口縁に笠をかぶった人がしがみついて、中を覗き込んでいます。全体に青磁釉が厚く掛けられていますが、顔のみ釉薬をほどこさない素焼きとなっています。黒塗りの一文字蓋が添えられ、水指として使われました。このような、器の縁に小さな人形がつく意匠は、青磁の蓋置や祥瑞(しょんずい)の火入などにも見られ、日本では「閑人」つまり世俗から離れた暇のある人が井戸を覗く姿と見なされて愛好されました。
せいじいっかんじんひらみずさし
Celadon tea ceremony water jar with a person of leisure
中国・明時代 17世紀