中地蔵左右文殊普賢像

なかじぞうさゆうもんじゅふげんぞう

Kitigarbha, Manjusri and Samantabhadra

地蔵 中国・元~明(14世紀) 文殊普賢 室町時代

中央幅は地蔵菩薩と伝わりますが、近年の研究によりメソポタミアに生まれたマニ(216~276?)を描いたものと判明しました。彼が現在のイラン付近で起こしたマニ教はササン朝のシャープール1世に保護され、その後ユーラシア大陸一帯に広まり信仰されました。両肩と両膝のあたりにつけるセグメンタと呼ばれる赤い四角形や、肩に垂れる髪などがマニ像の特徴です。卵型の光背が放つ輝きは、信仰対象としてのマニの威厳を伝えるかのようです。台座の描き方など仏教絵画の影響を強く受けている部分も見られます。中国において元・明時代頃に描かれたマニ教絵画が仏画として日本に伝わりましたが、この絵もそのうちの1つと考えられます。左の文殊菩薩は獅子に、右の普賢菩薩は象に乗り、ともに穏やかな表情をしています。左右の二幅は室町時代に日本で描かれたと考えられますが、いつしか中央幅にマニ像を配して三幅対とされたようです。