国宝 紫式部日記絵詞

むらさきしきぶにっきえことば

[National Treasure] Illustrated Diary of Murasaki Shikibu

鎌倉時代 13世紀

平安時代に活躍した紫式部(生没年不詳)は、藤原道長の娘であり一条天皇の中宮となった彰子(しょうし)に仕え、その頃の華やかな宮中生活を『紫式部日記』として著しました。この絵詞は『紫式部日記』を題材に後世に絵画化されたものです。現在、藤田美術館には詞書(ことばがき)5段、絵5段分が伝わっています。当初は50~60段におよぶ長大な絵巻でしたが、のちに分割されました。展示部分は、中宮彰子がお産のため道長邸に里帰りをした際、お付きの女房や公達(きんだち)らが十六夜(いざよい)の月を愛でながら舟遊びをする場面(第2段)と、宮中の女房たちが祝賀のため道長邸に牛車で訪れる場面(第3段)です。

絵は、濃彩をほどこした上に細い筆線で輪郭を描き起こす技法であらわされます。ふっくらとした顔に「く」の字型の小さな鼻、細い筆線に瞳を点じた目など、愛らしい顔だちで描かれた人物や、金銀泥(きんぎんでい)をふんだんに使った自然景がみどころです。また、詞書部分は様々な形の金銀箔を貼る豪華な料紙(りょうし)が使われています。