砧青磁茶碗 銘満月

きぬたせいじちゃわん まんげつ

Kinuta type celadon (seiji) Tea Bowl "Mangetsu (Full Moon)"

南宋時代 12~13世紀

中国・南宋時代に浙江省の龍泉窯(りゅうせんよう)でつくられた青磁は、数ある青磁のなかでもひときわ発色が美しいことで知られ、日本では「砧青磁(きぬたせいじ)」という名称で珍重されました。全体に青磁釉が厚くかけられており、碗の外側にほどこされた鎬連弁文(しのぎれんべんもん)の凹凸にしたがって釉薬の濃淡があらわれ、小さい高台とあいまって引き締まった印象をうけます。口縁には金の覆輪(ふくりん)がつけられ、ほぼ正円に近い形が際立ちます。その形の美しさと一点の瑕(きず)もない様子を秋の満月になぞらえ、「満月」の銘がつけられたといいます。堆朱(ついしゅ)の唐物天目台と真塗の天目台が付属しています。近世以前の伝来は明らかになっていませんが、明治時代以降は井上馨(いのうえかおる、1836~1915)が所持し、大正14年(1925)に藤田徳次郎が入手しました。