国宝 柴門新月図

さいもんしんげつず

[National Treasure] Newly Risen Moon above the Brushwood Gate

応永12年(1405)

禅宗の僧侶たちが、別の寺院に移る若い僧侶の送別のために制作した詩と絵です。このような、ひとつのテーマのもと同画面に絵と漢詩文を書く形式を詩画軸(しがじく)といい、室町時代に禅僧の間で流行しました。下部には、柴葺きの門前にいる2人の人物の別れ際を、昇ったばかりの月が照らす情景が描かれています。中国・唐時代の詩人・杜甫(とほ、712~770)が詠んだ、朱山人という友人を送る詩を踏まえており、描かれる人物には杜甫と朱山人の姿が重ねられます。画面の半分以上を占める漢詩文は、序文を書いた玉畹梵芳(ぎょくえんぼんぽう、生没年不詳)をはじめとする18人もの禅僧が寄せています。最上部の序文の末尾には、現存する詩画軸の中で最も古い制作年が記されています。